あなたの周りにいわゆる「ズルい人」「悪知恵が働く」という方はいませんでしょうか?中には目的達成の為に手段を選ばないで強引に物事を達成してしまう人なんかもいます。この様な行動を生む思考の事を「ラテラルシンキング」と呼ぶ様です。そしてラテラルシンキング思考で人生が好転する例もある様です。
ズルい人のラテラルシンキング
まんがで身につく ずるい考え方 [ 木村尚義 ]
よく「あの人はズルい!」などと思った事はないでしょうか?
目的達成のために自分では考えもしなかった手段で達成してしまう、この様な人を「ズルい人」とレッテル貼りしてしまう事があったりします。
この様な人は「ラテラルシンキング」の持ち主で、これを批判する側、すなわちその他大勢の人は「ロジカルシンキング」の持ち主なのです。
ロジカルシンキングの人からみると、ラテラルシンキングの人の行動は自分に思いも付かなかった事で、その突拍子もないアイデアと早々と目的達成してしまう姿を見て「ズルい」などと嫉妬してしまうのです。
そもそもロジカル・ラテラルシンキングとはどの様なものなのでしょうか?
ロジカルシンキング(論理的思考)
物事を順序通り、道筋を立てて考える思考。
結果よりも過程を重要視する。
- AさんはBみたいな性格だからこの仕事は無理
- 16時に客先訪問するにはここを最低15時15分位に出れば良い
いわゆる「こうすればこうなる」とか「これがダメならこちらから」とか物事を道筋通りに進める思考をいいます。
違う言い方をすると、我々は普段からこのロジカルシンキングで考えることが多く、「どうやったらこれが出来るかな?」という一本道を考える事が多いのです。
この論理的思考を文章化したのがいわゆる「マニュアル」です。
マニュアル人間なんて言葉がありますが、これはロジカルシンキングのみで考える人を指すのでしょう。
マニュアル人間はイレギュラーな事に弱かったりしますが、目的と手段をきっちり決めて、誰がやっても同じような結果が出るという事は生産効率から考えてもベストな方法かもしれません。
また、この様なロジカルシンキングで考えなければならない仕事も多いです。
空港の管制官などはロジカルシンキングを多用する最たる例でしょう。
ラテラルシンキング(水平思考)
スタートとゴールが決まれば、手段は特に問わない。
過程は無限にあり、最短で結果に到達することを重要視する。
どうするのか道筋を考えるのがロジカルシンキングならば、ラテラルシンキングは手段をいくつも考えます。
例えば「カレーを安く食べたい!!」という目的を持っていたとしましょう。
ロジカルシンキングの場合は、カレーの具材とルーと白飯代でいくら掛かるかな、コンビニで買った方が安いかな、などと計算しながら考えたりしますが、ラテラルシンキングの場合は「手段は問わない」ので、突拍子も無いことを考えたりします。
この場合、「カレーを安く食べる」のが目的であるので、実行可能かはさておき、隣近所の換気扇の近くで漂ってくる匂いを嗅ぎ、カレーを作っている!と判断したら無理承知で「少し分けてもらえないでしょうか」などとお願いしたら無料でカレーが食べられるかもしれませんw
ここで重要なのは実行可能かどうかは考えない、たくさんのアイデアを出す事です。
「ああ無理だ」とか「これはダメだろ」とかはラテラルシンキングには不必要な思考です。
但し、出てきたアイデアを行動に移す段階で法に触れてはダメですがw
縦に深く掘り下げるのがロジカルシンキングなら、ラテラルシンキングは横に無限に広げていきます。これが水平思考と言われる所以です。
関連記事
ラテラルシンキング脳にする為に
ズルい人と人に色眼鏡で見られる事に抵抗があるのなら、ロジカルシンキングのままで良いのかもしれません。9割以上の人間はロジカルシンキングなのですから。
ただ、自分の思考が凝り固まっている、事に臨んだ時に上手い解決策が見つからない、という人はこのラテラルシンキング思考を取り入れてみると意外な解決方法が見つかるかもしれません。
手段を選ばず目的を達成する事を考えてみる
「缶ジュースが飲みたい」
例えばこの様な事を思ったとしましょう。
この時にこの目的を達成しようとしたら、幾つかの手段が存在します。
- 自販機でジュースを買う
- コンビニでジュースを買う
大体の人がここで目的が達成されるという事がわかっているのでそれ以上考えません。ところが、ラテラルシンキングの持ち主は「手段を選ばない」ので実行するかどうかは置いておいて、色々な手段を考えます。
- 先輩後輩に奢ってもらう
- 自販機の下に手を突っ込んで小銭を探す
- 自販機近くの道端でわざと倒れて「水が飲みたい・・・」などと演技
- 勝手に人の家に上がって冷蔵庫を物色
- ジュース工場にお邪魔して試飲する
まだまだいっぱい出てきますが、ラテラルシンキング思考になる為の練習として、それが非倫理的であれ犯罪であれ、とりあえず目的達成のために様々な道を考えてみるというのが良いのです。
ここで、今までの自分では考えもしなかった様な案をできればたくさん出すのです。前提条件は全て取っ払っても構いません。
これはやってはダメだ、以前失敗したから、というのはこの思考改善練習に必要はありません。実行可能かどうかは置いておいて、できる限りの案を考えてみることが大切なのです。
こう言う思考が癖になると、いわゆる「突拍子もないアイデア」とか「その手があったか」とか「発想が凄すぎる」という他人が想像も出来なかった様な物が浮かんでくるのです。
当たり前は全て疑ってかかる
我々が日常的に何も気にせず「当たり前」と思っているもの。
例えば
- 蛇口を捻れば水が出る
- 会社で働かなければ生活できない
- 外出する時はマスクを着用する
このようないわゆる「常識」と呼ばれているものも、実は全然当たり前ではなく、習慣が固定観念化しただけのもので有るという事に我々は気づいていません。
蛇口を捻れば水が出るのは当たり前でも何でもなく、水源、ポンプ場、濾過施設、配管、または井戸ポンプなどこれらが全て健全である前提で蛇口を捻れば水が出るのです。
そして蛇口から出てくる水は安全安心、これは本当でしょうか?
水質検査しているのだろう、でも誰がいつやった?みたいないわゆる「疑問にも思わない」ことを疑ってかかることもいい練習になると思います。
当たり前が長く続くと固定観念になり、たまに事前に通知がなかった断水なんかしてしまうと人はパニックになってしまいます。
今自分の身の回りにある物事で当たり前と思っている物を全て疑ってかかると、思考の幅が広がり、意外な発見があったり、少なくとも毎日惰性で過ごしているよりかは柔軟な発想を産むことができるようになります。
関連記事
ズルい人になるラテラルシンキングまとめ
ラテラルシンキングはゴールまで無数にある道を考える
「当たり前」「常識」を排除する事でアイデアが次々と出てくる
当たり前の事にも向き合って本当に当たり前なのか考える
いかがでしたでしょうか。私も最近知ったこの思考、知る前はどうやったら最短で効率のいい方法なのかな、なんて事を常々考えていましたが、この思考法を知ってからは前よりも柔軟な考え方が出来る様になりました。
あと20年も早く知っていれば、自分の人生も変わっていったのかな、なんて事も思ったりします。若い人は是非ラテラルシンキング思考に取り組んでみていただきたいものです。
コメント