世界に広がる社内ニートの輪 中国の若者編

中国の若者の間で横たわり族と呼ばれる「欲しがらない、頑張らない、上をみない」というのが増えているらしいです。これは私の様な社内ニートに通ずるところもあり、興味を持って記事を読んでみました。

色々な事に疲れ果ててしまった中国の若者

記事によると、過酷な労働によって繁栄を遂げてきた現在の中国の若者の間で、家も買わず結婚もせず、残業は一切しないで定時ダッシュ、昇給も昇進も不要、自分の人生を自分の気ままに生きる若者が増えているとの事。

それに対し、共産党機関紙は「嘆かわしい事」「そのような生き方は間違っている」と批判をしているようでした。

中国の若者は五輪前後辺りに急激に強大な発展を遂げた自国と自分を重ね合わせ、昔は貧乏だったが、自分もいつかこの様な繁栄を築きたいものだ、と思っていたはずです。事実、QQ(中国版のメッセージアプリ)やYoutubeなどで見る彼らは男女問わず野心の塊の様なオーラを纏っていました。

いつか絶対に昇りつめてやる、そんなチャンスがいくらでも転がっている、と彼らは日々思っていたのでしょう。

が、数年経った今、昔の様にギラギラした若い中国人はいなくなった様な気がします。

一生懸命勉強して大学に入り、就職したのはいいけれど、少ない給料であと何年経ったらこの生活から抜け出せるのだろうか、上を見てもがき続けた挙句絶望してしまったのでしょう。

皆、頑張る事に疲れてしまったのだろうな、と勝手に想像しているのですが。

努力は必ず報われる、ただし条件あり。

彼らが成り上がれないのは自身の努力云々よりも、中国の社会構造の複雑さがあるのです。詳しく書くと長くなりますが、戸籍改革制度(農村戸籍者と都市戸籍者の格差を解消させる法律)が数年前より施行されていますが、まだまだ根強く残っている事も一つの要因で、努力したところで社会は変わらず、そして自分の待遇も変わらないのです。

そうなると起業しかのし上がれる道は無いのですが、中国で起業を軌道に乗せる事は日本以上に商才が要求されるとの事。怖い物知らずで上昇志向の塊の様な中国人でもさすがに難儀するらしいです。

この様な八方ふさがりの中、前述の様な「どうせ努力しても報われない」と考えて食べたいときに食べ、寝たいときに寝て、稼ぎたいときに稼ぐ上昇志向をすっぱり切ってしまう若者がいてもなんら不思議ではありません。

「努力は必ず報われる」という古来から伝わる言葉がありますが、正しく言うと

努力は必ず報われるが、それは形を変えて現れる事もある
努力が報われるのは正しい方向で正しい努力をした時のみ

格差が広がりで諦めやすい環境に

例えば中共幹部の子息といえば超お金持ち。金に困った事が無く若くしてフェラーリに乗り、大豪邸に住んで毎晩女をとっかえひっかえなんて当たり前の様に行われていて、片や農村出身の日雇い出稼ぎ労働者はは明日何を食べようか、お金は後何日分しか残っていない等、今日をどう生きるか常に考えるその日暮らしの状態です。

ここまで格差が付いてしまうと、もう上を見る事すら諦めてしまいます。

大分前の日本の様に、一億総中流なんて事が言われていた時代は、皆がそこそこ良い生活をして、上昇志向が有れば狭いレンジの中でも上を目指す事も出来ました。

日本も中国ほどではないけれど、これからは格差が広がり二極化が進んでいくのだろうと思います。

そして、少し前より悟り世代と言って上昇志向を持たない若者も増えてきました。この人たちはいわば社内ニート予備軍。今の私と同じように40代後半ですべてにあきらめを付け、会社はただのATM、行って言われた事以上の事は絶対にしない、みたいな人も出てくるのでしょう。

雇用形態が変わらなかったらの話ですが。

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