最近はコロナウイルスの影響で外国から日本に来るのも以前と比べ難しくなっています。しかし、相変わらず技能実習生と呼ばれる日本で働いて技能を取得しようとする人は普通に入国してくるようですが、この中から毎年毎年脱走者が出てくるのです。
常磐線にプリウスアタックを仕掛け逃走した犯人はベトナム人男性だったようで、本日無事逮捕されました。
技能実習生制度が諸悪の根源？？
日本で限られた期間その職種について技能を学び、本国に帰ったらその技能を生かすという国際貢献の一環で始められた技能実習生制度。
日本で働く外国人が急増したのは、この制度のおかげと言っても過言ではありません。10年くらい前は中国から、そしてここ2〜3年はベトナムから、新たにインドネシア、マレーシアあたりの方々も来日し、先進国である日本で身につけた技能を本国に持ち帰っている様です。
というのは建前で、実際はあまりにも給料が安いため、慢性的な人不足に悩んでいる産業の労働力確保の為に厚労省・経産省・外務省など中央省庁が仕掛けた国内産業保護戦略の一環です。
外国人は日本で働きたいと希望し、派遣先機関に登録、多額のエントリーフィーと供託金を預け意気揚々と来日します。
日本で稼いで国に残した家族の家計の足しに！！という崇高な目標と淡い期待を抱いているのですが、来日１ヶ月後、初めての給料明細をもらって彼らの多くは絶望に包まれるのです。
技能実習生の給料が安すぎる！！！
私の昔の知り合いにこの技能実習生で来日した方がいて、その方から聞いた話です。
彼らは一応都道府県で定められている最低賃金はもらっているのですが、エグいのは天引きされる分。
特に「寮費・住居費」で多くの金額を天引きさせられます。
私の知り合いは、2DKのマンションの一室に6人同居生活させ、部屋代は各人月3万円引かれていたらしいです。
6人なので計18万円。2DK1部屋に18万円。しかも電気水道ガスは別徴収。
東京の1部屋ならさもありなんですが、地方県の中小都市でのこのお値段。
実際に個人で借りると6〜7万くらいで済みそうですが、会社側は高めの住居費を取ることで彼らに支払うべき賃金を相当安く抑える事ができます。
また、中には最低賃金すらも支給していないブラックな職場も多いそうです。
本国に仕送りをしなければいけない、しかし送金したら自分たちの生活も厳しい。かといって実習生ビザはアルバイトなど他の仕事は出来ない、追い詰められた彼らは闇でできる何かを探し始めます。
一例として、日本の化粧品の販売（仕入れルートがあるのかも？）、スマホなど通信機器、果ては自動車販売の仲介なんて荒技を使って稼ぐ人も出てきます。
一方、更なる高収入を求めて、配属された派遣先を仲間にも上司にも何も言わず、夜逃げ同然に飛び出してしまう人がいるのです。
こうなるとその人は技能実習生ではなく、ただの不法滞在者となってしまいます。
今日本にいる不法滞在者は大体技能実習生崩れ
一度、初めに派遣先として登録された会社を無断で飛び出してしまうと、彼らはもう帰国まで闇で生きていくしかありません。
参考データ
出典：Wikipediaより
2018年の技能実習生失踪者 9052人
そのうち52％がベトナム人
毎年技能実習生の2％が失踪
この失踪者はもちろんハローワークなど正規の手続きを経て職に就くことはあり得なく、同じような失踪者同士で闇で働ける様な仕事を探します。
また、生きるために犯罪に手を染めたりする人間も多いようで、窃盗などで捕まった人をきっかけにアジトにいた不法滞在者が一斉に検挙されるなど、最近の新聞を賑わせている様です。
不法滞在の原因を作った側には何の罰則もなし
こういった人たちが不法滞在者として日本に居続けます。
不法滞在で捕まった場合、3年以下の懲役もしくは禁錮刑、300万円以下の罰金となり、強制帰国、強制送還、以降5年間日本に入国が出来なくなるという結構厳しい罰則が待っています。
しかし不思議なのは、逃げられた側に何の罰則も無いことです。
技能実習生を安い給料でコキ使い、逃げたら技能実習生が悪い、と彼らは言うでしょう。
1年間で何人脱走したら営業停止、とかそのような罰則はありません。せいぜい最低賃金法違反とか労働法上の罰則のみです。
これは、このあたりの産業従事者が大事な票田となっているので政府側も無茶な罰則を設けられないという理由もあります。
この辺の罰則を強化しない事にはこれからますます不法滞在者は増え続ける事でしょう。
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